湯神社縁起によると、1000年ほど前のこと、伊夜日子の里に住む権九郎という名の猟師が、傷つけた山鳥を追って湯の湧く池を見つけたといいます。池では鳥獣たちが湯浴みをしており、それを見た権九郎も湯に入ってみるとたちまち疲れが取れ、山中を歩き回ってついた傷も癒えていきました。その話を聞いた村人はこぞって入浴に訪れ、その効果は「弥彦の霊泉」として知れ渡ることとなりました。村人は彌彦神社の神官にお願いしてお湯の神様、薬の神様、集落の守護神として、湯神社を建立したといいます。この霊泉は数百年が経つと自然と枯渇してしまったそうですが、薬効豊かな縁起が伝わる湯神社にあやかって掘削されたのが、「湯神社温泉」なんです。
実は、かつて弥彦温泉には「観音寺温泉」という源泉がありました。弥彦山の東南麓に平安時代に湧き出したという歴史ある源泉でしたが、平成23年に起きた東日本大震災の影響で源泉水位が低下してしまい、供給がストップしてしまいました。温泉の湧出の仕組みは自然の摂理によるものだということを痛感しました。
今、弥彦温泉街の各宿では平成18年に掘削された「湯神社温泉」を利用しています。古くよりお湯の恩恵にあずかってきた弥彦の村人のために、おやひこさまが恵んでくれたお湯だと思い大切に使っています。 湯口から絶えず注がれる源泉の泉質は「アルカリ性単純温泉」。まろやかで優しいお湯は、肌をしっとり整える美肌の湯でもあります。お肌も心もクリアにしてくれる「神の湯」で、ぜひパワーチャージしてくださいね。