そんな私が今、一番欲しいお箸。それが三条市にあるマルナオさんです。
2014年に建てられた、黒を基調にしたスタイリッシュな新社屋と工場、ショップを訪ねました。
創業は1939年。寺社を装飾する彫刻を生業として始まり、その後大工道具の一つである墨坪車の製造に転じ、国内シェア80%を占めるほどの人気を博して大きく発展してきました。
やがて時代の移り変わりの中で、大工の減少や新素材の進出と衰退により低迷期もあったと言いますが、元来の木材加工の優れた技術を生かして、今では黒檀や紫檀などの硬木を使った高級箸のブランドとして知られています。
工場の向かい側のショップを覗いてみましょう。
「お箸屋さん」というイメージを覆すオシャレな空間。そして美しいお箸たちが並んでいます。
マルナオのお箸の最大の特徴は、その先端の細さ。1.5ミリほどに仕上げられた箸先は、驚くほどに繊細。骨の隙間の身も分けなく取れるのだとか。「お箸は料理の脇役ですから、より持ちやすく、掴みやすく、口当たりが良いことが大切なんです」と、スタッフさんがおっしゃる言葉に「なるほど〜」と感心しきりです。
最高級品は、持ち手の部分が十六角形に加工されており、指にしっくりと馴染む感触を楽しめます。箸先が指先に思える優れた操作性と、気品のあるフォルム。お箸って芸術品になり得るんだと知りました。ぜひ持ち心地をお試しいただきたいです。
たかがお箸? されどお箸? マルナオさんを訪ねれば、きっとお箸の概念が変わるはず。ぜひ一度足を運んでみてはいかがですか?
●マルナオ株式会社●
住 所 新潟県三条市矢田1662-1
電 話 0256-45-7001
営業時間 工場9:00〜17:30(お昼休憩あり) ショップ10:00〜19:00
定 休 日 工場=日曜、祝祭日、お盆 ショップ=12/31〜1/1
アクセス JR燕三条駅、北陸自動車道三条燕ICから車で30分